トピックス No.7

〜金沢城 城内フェース 今昔物語〜

 2006年7月中旬に金沢へ行ってきました.約2年前にも行っていますが,
今回は金沢の新しい風を感じてきましたので紹介します.

                                    2006年7月20日 

城内フェース

 金沢城内に大学があったころ,学内のあちこちに石垣がありました.そのなかで
  ・人目にあまり触れず
  ・高度差が10m〜20mほどあり
  ・いくつかの石垣がまとまったところ
 があり,そこを城内フェースと称して,大学山岳部のメンバが中心にクライミングの練習を行っていました.
 山岳部では,剣,穂高,黒部などの山岳地帯でのクライミングや小川山,城ガ崎などでのショートルートにも
出かけていましたが,それらは週末や休暇期間を利用して行われていたのに対し,いわゆる日常的クライミン
グの実践の場として,この城内フェースを利用していました.当時は現在のようなクライミングジムは見当たら
なかったため画期的と言えます.
 
 ロープの結び方,ビレイの方法,懸垂下降,ムーブの基礎などはここで先輩から教えてもらいました.それな
りにルートがあり,ある程度登れるようになっても課題は充実しており,講義をさぼっては,よく登っていたこと
を懐かしく想いだします.
 ヨセミテ,ハッチンダールキッシュや,奥鐘山西壁でのフリー化,カネコロン大氷柱などで活躍された諸先輩方
もここでレベルアップをはかっていました.

 その城内フェースの現状をみてきました.いもり坂口からすぐのところにあります.金沢城は多種多様の石垣
が存在することでも有名で,芸術的ともいえるデザイン感覚にあふれる石垣群は金沢城の大きな見所としてPR
されています.城内フェースだった石垣も木道の見学コースが整備され,重要文化財らしくなっています.
 写真1と写真2がその様子です.写真3は写真2の右端にあるカンテの最上部のアップショット.写真4はメイン
フェース下にある石垣で,このフェースにはクラックがあったはずなのですが,修復されなくなったようです.左側
の陰になっているフェースには最も困難なルートがありました.

 ところで,城内フェースとして利用していたころの石垣はどんな様子か知りたいかと思います.写真5は
約23年前に撮影したもので,色あせた写真が年の経過を物語っています.写真3と写真5は同じ石垣
を別のアングルで撮影したものです.木は伐採されていますね.
 写真5のカンテルートは通称,「猫登り」と言われていた独特のムーブで登ります.クライミングシューズ
なんて買う余裕がなかったので運動靴で登っていますが,ここからが核心のムーブに入ります.
そのムーブは下記の通りです.
 上から4つ目と5つ目の石の間にハーケンが打ってありました.上から6個目と7個目の間のカンテに石が
かけているのがわかります.ここを右足のスタンスとし,ハーケンにカラビナをセットして,そのビナを左手
で?みます.A0のエイドクライミングになります.この体勢のまま,左足を大きく上にあげ,左手のすぐ上に
あるハーケンに左足を乗せ立ちこみます.ここでのポイントは右足での蹴り上げと少し立ちこむと,右側の
フェースにある石段のずれに右手の指を立ててバランスをとりながら左手をビナから外します.
 このムーブは,他人のムーブを見るまで全く想像することができず,さらに,イメージは分かった後でも
実際にその通りなかなか登れず,かなりの日数を要してやっと登れたムーブで私には非常に印象的でした.
クライミングの懐の深さを教えられた瞬間でした.他にも面白いルートがありましたが,残念ながら写真が
ありません.

 加賀百万石を見届けてきた石垣群は,一時期,こんな使われ方をして一部の人たちを楽しませてくれました.
現在は,昔に戻ったようで,より多くの人に何らかのメッセージを与えることでしょう.その意味では,大学が
移転し,金沢城として復興されていることは喜ばしいことかもしれません.

   
    写真1:メインのフェースだった石垣           写真2: 写真1と同じ石垣を右側から撮影


    
 写真3: メインのフェースのカンテルート           写真4: メインフェース下にある石垣


      

写真5: カンテルートを登っている約23年前の写真

学生に大人気の餃子

この第7ギョーザは工学部のある小立野にあって,地元の人のみ知る超人気点で,私もよく行ってました.
大学移転に合わせこの店も大学近くに移り,小ぎれいな店に変わりました.味は以前とかわらず,絶品です.
右の写真はホワイト餃子大盛りです.

      

新しい波

  金沢の目抜き通り,片町にできた,イタリアンショップ街です.
  偶然見つけたのですが,イタリア好きの私には心地よい空間でした.














JR金沢駅エントランスのオブジェ


    金沢駅前にできた巨大な空間です.木造の門は,能で用いられる
   「鼓(つづみ)」をモチーフにしてデザインされたそうです.
   噴水や地下などいろいろと工夫されていました.








金沢21世紀美術館


   きれいな芝生に囲まれた21世紀美術館にも行ってきました.
  2004年にオープンされたようです.
  頭を柔らかくするには格好の場でした.









おまけ



  金沢大学山岳部OBです.
  女性部員は1人もいないので,中央の方はA君の奥さんです.

  おじさんがもっている冊子は,めっこ山学会の会報「さわらし」です.














  「ごり」を注文したのですが,今日はないというので,
  どじょうの天ぷらに化けてしまいました.
  これも美味でした.
   なお,前日,能登黒八合の塩焼きを食べたのですが,
  これも絶品でした.






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