2006年2月11,12日に米子不動の権現滝を登りました.パートナーはJCCの石川氏.
米子不動の氷瀑は今世紀に入ってから人気急上昇で,目立った未登の氷瀑はそんなにはありません.
この権現滝は,少なくとも昨シーズンまでは未登.
今年の冷え込み状況から,この時期なら登れるのではと考え計画しました.
案の定,氷の発達はまずまずで完登できました.
しかしながら,同じことを考えている人はいるもので,11日に偵察したときには下降用の支点が
セットされており既に登られた模様.おそらく前日の2月10日と思われますが,実態は不明.
また,JECCの廣川氏らも来られており,ほぼ同時に登りました.
タッチの差で初登ではありませんが,米子不動のランドマーク的な存在でぜひ登りたかったことと,
我々の登ったルートには人の入った痕跡はなく,自然の氷を楽しめたため,充実した山行でした.
2006年2月16日
全長75Mの滝.水量が多く無雪期は隣の不動の滝とともに
観光名所になっている.
遊歩道が整備され,森林浴などとあわせて最近,訪れる人は多い.
しかし,1月,2月に見かけるのはクライマーのみ.
周辺には見応えのある氷瀑が散在し,ハイカーが増えてもよいと思うのだが.
写真のように滝の中央付近まで氷結することは珍しい.
権現滝の全景
左の写真において,青線は我々が登ったルートを,赤線は廣川氏らのラインをそれぞれ示す.
12日の6時15分ごろにテントを出発.昨夜からの雪はおさまり,小雪がちらつく程度であった.先行パーティのトレースのおかけで順調に取り付きへ.
権現滝の下部には6時50分着.
ゆっくり準備をして,7時40分ごろから登攀開始.
1P目:約45m
2P目:約35m
1P目の上部の氷はしかっりしていたが水流の音がし,時折り,内部で
落氷の音がし,気分はよくない.
2P目下部は傾斜が落ち容易に思えたが,途中から薄氷になり
気を遣う.上部は危険と判断し,右にトラバースした.
下降は立ち木を支点に赤のルート沿いを懸垂下降.
こちらの方が氷は安定していた.また,凹状のため,
立体的なムーブを楽しめるだろう.
2回目の下降支点はV字スレッド.
1P目の下部,デルタを登る.
デルタの上部からいよいよ登攀開始.
隣でリードしているのは廣川氏.なんと沖縄から1泊2日で参上.
クライミングに対する情熱は衰えてませんでした.
我々よりも一足早く完登されました.
1P目の終了間際まで登ったところ.
傾斜は強いが,氷の状態はよく,ピック,アイススクリューとも
しっかり効いていました.
1P目の終了点から2P目を望む.
このあたりは安定した氷だが,15mほど登ると大変なことに.
2P目を20mほど登ったところでアックスを打ち込むと,氷が割れ,
直径約2mの空洞が現れ,真ん中はかなりの水流.
厚さ数cm程度の氷だった.
ここから右上へさらに2mほど登るがもう限界.
直登は諦め,右にトラバースする.
立ち木で2P目のフォローをビレイしているところ.
このころから風が出てきて気温が急に低くなる.
デジカメが動作しなくなり,写真はここまで.
帰りはスキーで快適.
参考に,他の氷漠の状況です.氷結は予想したより今ひとつでした.
左:不動の滝 右:黒滝 龍神の滝
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